複合機のリース契約とは?仕組みと注意点を初心者向けに解説

毎月引き落とされている複合機のリース料。「そういえば、いつから、いくら払っているんだろう」と思ったことはありませんか。

導入したのは何年も前。営業の方に言われるまま契約して、それ以来なんとなく使い続けている。そんな会社さんは、とても多いです。

この記事では「リースって、そもそも何?」というところから、専門用語をひとつずつかみ砕いて説明します。

この記事の結論
  • 複合機のリース契約とは、リース会社に機械を買ってもらい、代金を分割で支払いながら借りる仕組みです。所有者はリース会社で、原則として途中解約はできません。
  • 毎月の支払いは「リース料」だけではありません。印刷枚数に応じた保守料(カウンター料金)が別途かかるのが一般的です。総額で比べないと、安いつもりが割高になります。
  • 見直しのタイミングは、契約満了の半年前。まずは契約書を出して、期間と支払い内訳を確認するところから始めましょう。

目次

そもそも複合機のリース契約とは?

リースとは「リース会社に買ってもらって、借りる」仕組み

リースとは、リース会社があなたの会社の代わりに機械を購入し、その機械を長期間貸し出す契約のことです。登場人物は3者です。

  • あなたの会社(借りる人):複合機を使い、毎月リース料を支払う
  • リース会社(買う人・貸す人):複合機を購入して所有し、貸し出す
  • 販売店・メーカー(売る人・直す人):機械を納品し、メンテナンスを担当する

大事なのは、機械の持ち主はリース会社だという点です。オフィスに置いてあっても自社の資産ではありません。社宅に近く、住んでいるのは自分でも名義は大家さんにある、という関係です。契約が終わったら、返すか、買い取るか、借り続けるかを選びます。

レンタル・購入とは何が違うのか

「借りる」点ではレンタルと似ていますが、中身はかなり違います。

項目リースレンタル購入
初期費用少なく抑えやすい少なく抑えやすいまとまった資金が必要
契約期間数年単位(長期)数日〜数か月(短期)も可期間の概念なし
機種の選択新品を自由に選べることが多い在庫のある中古機が中心自由に選べる
途中解約原則できない比較的しやすい概念なし(売却は可能)
所有権リース会社レンタル会社自社
向いている会社数年単位で腰を据えて使う会社イベントや短期の現場で使う会社手元資金に余裕があり長く使う会社

多くの中小企業がリースを選ぶのは、まとまった現金を出さずに新品を導入でき、毎月の支払額が読めるからです。一方で、原則として途中でやめられない制約があります。ここが最大の注意点です。

リース期間は3〜7年。5年が選ばれやすい理由

複合機のリース期間は、3年から7年の範囲で設定されるのが一般的で、なかでも5年契約が多く選ばれています。

ひとつは税務上のルールです。複合機は税法上「5年程度で価値がなくなる機械」として扱われます。この年数を法定耐用年数(税金の計算をするうえで国が定めた、機械を使える年数の目安)といい、リース期間はここから極端に短くできないため、5年前後に落ち着きやすいのです。

もうひとつは機械の寿命です。複合機は印刷枚数が増えるほど部品が消耗し、長く使うほど故障のリスクが上がります。5年前後が、コストと安定稼働のバランスを取りやすい期間です。

なお、期間が長いほど毎月の支払いは安くなりますが、総支払額は増えやすくなります。「月々が安い=お得」とは限りません。


中小企業がよくやってしまう、複合機コストの3つの無駄

「毎月ちゃんと払っているし、問題はない」。そう思っていても、見直すと余白が見つかることは珍しくありません。気づいていなかっただけで、今から確認すれば間に合います。

無駄①:リース料だけを見て、保守料を見ていない

いちばん多いのがこれです。複合機の月々の支払いは、「リース料」と「保守料」の2階建てになっているのが一般的です。

  • リース料:機械そのものの代金を分割で払う部分。毎月一定額
  • 保守料(カウンター料金):印刷した枚数に応じてかかる部分。毎月変動する

カウンター料金とは、印刷した1枚ごとに単価をかけて計算される保守費用のことです。複合機の内部にあるカウンターが数えた枚数をもとに請求され、トナー(インクにあたる粉)の補充や故障時の修理、定期点検が含まれるのが一般的です。

重要なのは、カウンター料金はリース料に含まれていないという点です。リース料だけで比べると判断を誤ります。カラー印刷が多い会社ほど、この部分が負担に効いてきます。比べるべきは「リース料+保守料」の合計額です。

無駄②:契約満了に気づかないまま、そのまま使い続けている

リース契約には満了日がありますが、この日付を把握していない会社は少なくありません。

満了後に手続きをしないまま使い続けると、再リース(同じ機械を引き続き借りる契約。通常1年ごとの更新)に移行することがあります。再リース料は当初より低いのが一般的なので、それ自体は悪い話ではありません。

ただし、判断せずに流れているのは別問題です。機械が古くなれば故障のリスクは上がりますし、その頃には性能の良い機種が同じ価格で出ているかもしれません。「知って選んだ継続」と「気づかないままの継続」は、まったく違います。

無駄③:使っていない機能やスペックに払い続けている

導入時に「せっかくだから」と上位機種を選び、実際には基本的なコピーとスキャンしか使っていない。よくあるケースです。印刷速度や給紙量が上がるほど価格も上がるため、今の使い方に対して機械が大きすぎないかは確認したい点です。逆に、印刷量が増えているのに小型機のままで毎日手が止まっているのも、見えないコストです。


複合機のコストを見直す5つの手順

具体的に何を確認すればよいのか、5つのステップにまとめました。

STEP
契約書を出して「期間」と「満了日」を確認する

リース契約書か初回の見積書を探し、「契約期間は何年か」「いつ満了するのか」の2点を見ます。見当たらなければ、リース会社か販売店に問い合わせれば分かります。満了の半年前には動き出せるのが理想です。

STEP
毎月の支払いを「リース料」と「保守料」に分解する

請求書を見て、複合機に関する支払いを書き出します。リース会社への支払いと販売店への支払いが別になっていることが多いので、両方を探してください。出した1か月あたりの合計額が、比較・交渉の基準になります。

STEP
実際の印刷枚数を把握する

複合機の操作パネルから、累計の印刷枚数を確認できます。「カウンター確認」「メーター」といった項目にあることが多く、分からなければ販売店に聞けば教えてもらえます。

モノクロとカラーを分けて見られると理想的です。カラーの単価はモノクロより大幅に高いのが一般的なので、「カラーで刷らなくてよい書類までカラーになっていないか」を見直すだけでも効果が出ます。

STEP
中途解約の条件を確認する

リース契約は、原則として途中で解約できません。どうしても解約する場合は、残期間分のリース料を精算するのが一般的です。「来月でやめます」は通りません。期間は「その年数、この規模で事業を続けている見込みがあるか」を基準に決めてください。

STEP
満了後の選択肢を、先に聞いておく

満了後に取れる道は、大きく4つです。

  1. 新しい機種に入れ替える(新規リースを結び直す)
  2. 再リースで使い続ける(1年ごとの更新が一般的)
  3. 今の機械を買い取る(契約内容によっては不可)
  4. 返却して終わりにする

どれを選べるかは契約によって異なります。契約前に「満了したらどうなりますか」と一言聞いておくだけで、後々の選択肢が広がります。

見直しチェック表

確認項目見るところ見落とすとどうなるか
契約期間と満了日リース契約書気づかないまま自動的に継続してしまう
月額リース料リース会社からの請求総額の把握ができない
保守料の方式と単価販売店からの請求・保守契約書安いつもりが割高になる
実際の印刷枚数複合機の操作パネル機械の大きさが業務に合っていない
カラー/モノクロの比率同上不要なカラー印刷でコストが膨らむ
中途解約の条件リース契約書の条項事業変化に対応できない
満了後の選択肢契約書・販売店に確認満了間際に選択肢がなくなる

すべて埋まらなくても大丈夫です。分かるところから確認すれば十分です。


見直し・切り替えのときによくある不安と、その答え

「見直したほうがいいのは分かった。でも……」で止まる方が多いので、先回りしてお答えします。

「リース審査に通るか不安です」

リース契約には審査があり、設立から間もない場合などは通らないこともあります。ただ、基準はリース会社によって違います。頭金や期間で調整できる場合もあるので、ひとりで抱え込まず販売店に相談してみてください。

「今のリースがまだ残っています」

満了前に入れ替える場合、残っているリース料をどう精算するかが論点です。新しい契約に組み込んで処理されることもありますが、その分だけ月額は上がります。

まずは「残りいくらか」を数字で出すこと。そのうえで、今の機械をあと何年使えそうかと突き合わせます。感覚ではなく数字で比べるのが、失敗しないコツです。

「入れ替えの作業が大変そうです」

設置・搬入・古い機械の引き取りは、通常は業者側で対応します。パソコンとの接続設定も、多くは設置時にあわせて行われます。

「補助金は使えますか」

補助金や助成金を活用できる場合もありますが、制度によって対象になる経費とならない経費が分かれています。リース料そのものが対象外の制度もあるため、「使えるはず」という前提で進めると想定が崩れかねません。対象範囲を先に確認してから機種と契約形態を決めるのが安全です。

判断軸に関しては下記の記事も参考にしてください。

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よくある質問(FAQ)

複合機のリース契約とは、ひとことで言うと何ですか?

リース会社が代わりに複合機を購入し、その代金を分割で支払いながら長期間借りる契約です。所有者はリース会社で、原則として途中解約はできません。

リース料と保守料(カウンター料金)は、何が違うのですか?

リース料は機械の代金を分割で払う部分で、毎月一定額です。保守料は印刷枚数に応じた費用で、トナー補充や修理、定期点検が含まれます。別々に請求されるため、合計額で比べてください。

リース期間は何年にするのがよいですか?

3年から7年で選べることが多く、5年が一般的です。長いほど月々は軽くなりますが、総支払額は増えやすくなります。「その年数、今の規模で使い続ける見込みがあるか」が判断基準です。

途中で解約したくなったら、どうなりますか?

原則として中途解約はできません。やむを得ない場合は、残期間分のリース料を精算するのが一般的です。だからこそ、契約前に期間の妥当性を検討することが大切です。

契約が満了したら、機械は自分のものになりますか?

自動的に自社のものにはなりません。満了後は「新機種への入れ替え」「再リースで継続」「買い取り」「返却」から選びます。買い取りの可否は契約内容によって異なります。

見直しは、いつ始めるのがよいですか?

契約満了の半年前が目安です。間際になると比較検討の時間が取れず、提示された条件を受け入れるしかなくなります。


まとめ

複合機のリース契約は、仕組みが分かればそれほど複雑なものではありません。要点を整理します。

  • リースは、リース会社に機械を買ってもらって借りる仕組み。所有者はリース会社
  • 月々の支払いは「リース料+保守料(カウンター料金)」の2階建て。総額で比べる
  • 期間は3〜7年、5年が一般的。長くすれば月額は下がるが総額は増えやすい
  • 原則として中途解約はできない。期間は慎重に決める
  • 満了後の選択肢は4つ。見直しは満了の半年前から

まずは契約書を出して、期間と満了日を見る。それだけで、次に何をすべきかが見えてきます。固定費の見直しは、一度やれば効果が長く続きます。

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